ビデオ会議が当たり前になった今、ビデオ会議にはただ参加するだけではなく、存在感を出すことが重要。アイデアを売り込むときも、授業を教えるときも、ワークショップを開催するときも、「画面上でインパクトを与えること」が今日のコミュニケーションゲームの鍵と言えます。
バーチャルなやり取りを意味のあるつながりに変えることに長けたプロフェッショナルといえば、経験豊富なバーチャルトレーナー、Kassy LaBorie 氏をおいて他にいません。Microsoft や Webex のような大手企業でトレーナーとして活躍した彼女は、真の魔法はソフトウェアそのものではなく、「いかに人々をつなげるか」にあると気づきました。
彼女のモットーは、「テクノロジーはクール。でも、人々はもっとクール。」彼女はそれを実践しています。新しいツールの使い方を教えることから、バーチャルトレーニングセッションをエネルギーに満ちた体験に変えることまで、彼女にとってガジェットは単なる相棒にすぎません。
人間こそが主役なのです。
現在、彼女は自身のビジネス「Kassy LaBorie Consulting」を通じて、テクノロジーへの愛と、人々がつながりを感じられ、インスピレーションを受けるような空間を作ることへの情熱を融合させています。この記事では、mmhmm を使って、ダイナミックなオープニングを作成し、Zoom 疲れに対処し、動画で素晴らしい第一印象(しかも長く残る印象)を残す秘訣を語ります。
「テクノロジーはクール。でも、人々はもっとクール。」
Kassy LaBorie 氏
ービデオ通話では強い第一印象を残すことがすべてです。その秘訣があれば教えてください。
秘訣というよりも、長年生きてきた中で培われた信念といえます。それは、「自分が今言ったりやったりしたことで、あなたに言わせてあげられたこと、やらせてあげられたことは何だろう?」という考え方です。この信念は、バーチャルトレーニング、プレゼンテーション、リモートワーク、すべてにおいて私の行動の指標となるものです。
私にとって、素晴らしい第一印象は、視聴者のことをすべて考えることに始まります。最初の瞬間から、視聴者を巻き込み、質問を投げかけ、参加を促し、彼らの体験に真の興味を示すことです。
しかし、もうひとつ欠かせないのは、優れたテクノロジーです。見た目が良く、音声がクリアで、使用しているツールがスムーズに機能することが大切。テクノロジーが邪魔をしてはいけません。それは、体験を向上させ、視聴者とつながるための手助けをするべきものです。
私のアプローチをまとめるとすれば、関係者全員に活力を与え、参加してもらうために、以下の 3 つを均等に行うことです。
- 驚きと魅力で聴衆を引き込む最初の瞬間を作る:最初に、注目を集め、セッションの雰囲気を作る方法を考えましょう。それが挑発的な質問であれ、大胆なビジュアルであれ、遊び心のあるアクティビティであれ、参加者を驚かせ、すぐに引き込む瞬間を作ります。好奇心と興奮を呼び起こし、最初から新鮮でユニークな体験であることを感じさせるのが目標です。
- 参加者を巻き込む:強い第一印象は、聴衆が「参加している」「大切にされている」と感じられる環境を作ることから生まれます。質問を投げかけ、参加を促し、彼らの考えや経験に真の興味を示しましょう。双方向的な環境を初めから作り出すことでつながりを育み、セッション全体を通して有意義な関わりを持てるようにします。
- 現代的で洗練されたテクノロジーを活用して、体験をサポート:優れたテクノロジーは、その他すべてを際立たせる土台となります。鮮明なビジュアル、クリアな音声、そしてシームレスな機能性が、プレゼンターの話術と視聴者の体験の両方を向上させます。
ーバーチャルな場でありがちな一番の失敗は何ですか?初めて本番を迎えたときの失敗を避けるにはどうすればいいでしょう?
一番の失敗は、テクノロジーを完全に理解していると思い込み、特別な注意や準備をしないことです。2020 年に世界がオンラインへシフトしたとき、迅速に適応するために信じられないような努力が行われました。しかし、多くの場合、当面のニーズを乗り切ることに重点が置かれていて、持続的な自信や専門知識を築くことは後回しになってしまいました。その点にはまだ成長の余地があります。
「やっちゃった」という瞬間を避けるには、使用するツールをしっかり理解することが大切。機能を試し、プロセスを確認し、プラットフォームが自然に感じられるようになるまで使い込むことです。
私の好きな原則を挙げるなら、「テクノロジーを学び、使い倒すと、最終的にはテクノロジーを気にしなくなる」。
テクノロジーを完全に理解すると、それは背景に溶け込み、メッセージや視聴者とのつながりに集中できるようになります。習熟には時間がかかりますが、すべてのバーチャル体験をスムーズで魅力的なものにするため、その価値がある努力です。
ーZoom 疲れにどう対処しますか?注意力が散漫になる中で、観客を夢中にさせるコツは?
ビデオ会議疲れは、特定のプラットフォームを超えた問題です。René Riedl 教授の研究では、これを「ビデオ会議ツールの過剰または不適切な使用によって引き起こされる身体的および認知的疲労」と定義しており、疲労感、心配、不安、燃え尽き、不快感、ストレスといった症状を引き起こすとされています。
この問題に対処し、エンゲージメントを維持するために、以下の 4 つのヒントをおすすめします。
- 参加者中心の魅力的な体験をデザインする:聴衆のニーズに合わせて、インタラクティブなセッションを作る。質問、ディスカッション、アクティビティを通じて、セッションをインタラクティブで参加者にとって適切で魅力的なものになるようにする。
- 定期的な休憩を取り入れる:画面を見続けることによる精神的な負担を認識し、短い休憩をスケジュールに組み込みましょう。
- 信頼と自主性を育む:参加者が自分の貢献やタスクを効果的に管理できるよう、信頼することで力を与えます。
- 積極的にリスニングし、適応する:バーチャル体験に関するフィードバックを求め、それに対して迅速に対応します。参加者の意見が価値あるものとして扱われると、より積極的でインタラクティブな環境が促進されます。
ーバーチャル空間で観客の反応をどう読み取りますか?対面のヒントがない中で、聴衆の心をつかんだ時、あるいは失った時をどう判断しますか?
簡単です。観客を招き入れることです。それは、あなたのためではなく、観客のためなのです。
質問をしたり、投票やチャット、リアクションなどを通じて、観客に体験の一部になってもらいます。しかし、本当に重要なのはその後の行動です、つまり、彼らの意見に耳を傾け、観察し、注意深く反応することです。
また、微妙なシグナルに注意を払うことも重要です。カメラに映る様子、表情、チャットの活発さ、反応の強弱などは、エンゲージメントレベルを示す手がかりとなります。参加者が減少したり、エネルギーが落ちたように感じたら、それは方向を変えるべきサインです。
最終的には、ダイナミックなやり取りを作ることが重要です。セッションは彼らのためのものであり、彼らにとって価値のあるものであることを感じてもらえる場にする必要があります。
ーなぜ mmhmm なのですか? 「私のプレゼンにはこのツールが必要だ」と思った理由を教えてください。
初めて mmhmm を試した瞬間から大好きになりました。最初に目を引いたのは、このツールがバーチャルプレゼンテーションにテレビ番組レベルのビジュアルをもたらしたことです。ずっと、画像や文字、動画を肩越しや自分の周りに魔法のように表示させることを夢見ていました。そして mmhmm が、その夢をクリック一つで現実にしてくれたのです。
しかし、本当に画期的だったのは、その使いやすさです。ウェブカメラの映像をスタイリングし、ダイナミックなビジュアルを作り、プレゼンに魔法のような要素を加えられるのに、技術チームは必要ありません。このツールはプレゼンに驚きの効果をもたらしつつ、最も重要なこと「視聴者とのつながり」に集中させてくれます。
ーお気に入りの mmhmm 機能は何ですか?観客を驚かせる機能を教えてください。
私が大好きな mmhmm の機能のひとつは、ウェブカメラの映像上にリアルタイムでテキストを表示できることです。観客の発言をその場でタイプして画面に追加するのが大好きです。この機能は、観客の貢献が大切にされていると示すことができ、セッションを本当にインタラクティブなものにしてくれます。
「観客の発言をその場でタイプして画面に追加するのが大好きです。この機能は、観客の貢献が大切にされていると示すことができ、セッションを本当にインタラクティブなものにしてくれます。」
Kassy LaBorie 氏
もうひとつのお気に入りはフェードアウト機能です。まるで曲がフェードアウトしていくように、スムーズに画面から消えることができます。プレゼン中にフォーカスを移したり、シフトしたりするのにとても楽しくてクリエイティブな方法で、観客からもいつも好評です。これらの機能は、観客を驚かせる魔法のような効果をもたらします。
ー忘れられないバーチャル成功体験は何ですか?あなたのアプローチが大きな影響を与えたと実感した瞬間について教えてください。
あるセッションの後、参加者のひとりが 1 対 1 で話をするために残ってくれたときのことです。彼女は、「リモートで仕事をするようになってから、自分の声が届いている、あるいは存在を認識されていると感じたことがなかった」と、かなり感情をこめて話してくれました。しかし「今回初めて、自分のことを理解してくれている、自分は一人ではないと思えた」と。
特に印象的だったのは、彼女はセッション中に一言も話さず、表立って参加することもなかったことです。でも私は彼女に気づいていて、プライベートチャットで簡単なメッセージを送ったのです。ただ笑顔の絵文字を送り、「もし必要なら話しましょう」と伝えました。そのささやかなジェスチャーが、彼女とのつながりを生み出し、この仕事の大切さを再確認させてくれる瞬間を作ったのです。
この出来事は、往々にして気づかないままになるような小さなことや目立たない部分に注意を払うことの重要性を思い出させてくれました。この瞬間は私にとって深く感動的で、すべての人が見られている、価値がある、そしてつながっていると感じられる空間を作り続けるためのインスピレーションとなっています。バーチャルスペースにおける人間同士のつながりの力を実感させてくれる素晴らしい体験でした。
ー最後に、バーチャルなつながりを大切にするための最重要アドバイスを教えてください。
常に覚えておいてください。「すべては、観客のためであって、あなたのためではない」ということ。
バーチャルな空間は、そこにいる人々のために作られているときにこそ活気づきます。これは、あなたができることをアピールする場ではなく、他の皆さんが自分を見てもらっている、話を聞いてもらっている、そして力を与えられていると感じられる環境を作る場なのです。
それこそが、バーチャルなつながりを忘れられないものにする要素です。