ハイブリッドワークの手引き

ハイブリッド会議のはじめの一歩:会議室を使わない

Ganda Suthivarakom

2023年10月10日

多くの人がオフィスに戻る一方でリモートで働く人もいる現在、オフィスにいる人たちは会議室に集まってコーヒーを飲んだりスナックを食べたりしながら、1 台のノートパソコンやカメラを囲んでリモートメンバーと Zoom 会議をしたくなるかもしれません。ですが、ハイブリッドチームでミーティングを行う場合、最も公平な方法は、全員がビデオで参加することです。

たとえ参加者の半数がオフィスに一緒にいたとしても、会議室は立ち入り禁止にして、全員が自分のデバイスからオンラインで参加するようにすべきなのです。その理由は、参加者全員の視点を考慮する必要があるからです。

オフィスにいるのに各自のパソコンからミーティングに参加するのは、しっくりこないと感じるかもしれません。しかし、チームの全員が平等に理解され、注目されることが目的なのであれば、会議室から参加する人とリモートで参加する人には違いが生まれます。このような小さな心がけひとつで、出席者全員が平等に評価され、同じ経験を共有していると感じられるようになり、会議への貢献度が向上するのです。この記事では、ハイブリッド会議の意味、課題、そしてチームがつながり、理解されていると感じるための解決策について説明します。

ハイブリッド会議とは?

ハイブリッド会議とは、オフィスで働く人たちと、在宅勤務者や離れた場所のオフィスで働く人たちなど、対面型とオンライン型を融合させたミーティングの形です。複数のオフィスがある分散型チームで働く皆さんにとっては、パンデミック以前から日常的に使われていた形式かもしれません。現在では、オフィスに戻った人たちの間でも、主にノートパソコンで仕事をする人たちが多い企業では、ごく一般的なものとなっていると思います。

ハイブリッド会議運営の課題

「The Art of Gathering(最高の集い方)」の著者であり、著名なファシリテーターである Priya Parker 氏は、ハイブリッドな集いとは、実際には「3 つの別々のイベントが同時に 1 つになったもの。対面での集まり、 オンライン集会、 そしてその 2 つがつながる瞬間である」と言及しています。この場合の課題は、ファシリテーターが会議の 3 つの経験すべてに備える必要があり、対面グループとオンライングループの両方を同時にリードできない可能性があることです。

ハイブリッド会議の最大の問題のひとつは、同じ部屋にいる人たちだけが自然と互いに盛り上がってしまい、ビデオに映っているリモート参加の人たちを疎外してしまうことがあるという点です。物理的に一緒にいる人は、ボディランゲージを読みとったり、ミーティングのリーダーの注意を物理的に引くことができるという利点があります。

David Burkus 氏は著書『Leading from Anywhere: The Essential Guide to Managing Remote Teams(どこからでもリーダーシップ: リモートチーム管理の必須ガイド)」で以下のように述べています。「部屋にいる数人と、スクリーンに映し出される数人を混ぜ合わせることは、部屋にいる人たちに大きな権力を与え、会議において「劣った存在だ」と感じてしまう(リモートの)人たちの会議への重要な貢献を封じることになりかねない。」

また、標準的な会議室では、2 つのグループ間の接続が必ずしも最適なものになるとは限りません。部屋全体の音声を捉えるマイク、部屋全体を見渡せるカメラなどの設備は、全ての会議室にあるものではありません。うまく機能しても、会議室で話す人はマイクの近くにいなくてはならないことも。また、カメラは部屋の照明が許す範囲でしか機能しません。部屋全体を撮影したカメラでは個々の顔を確認するのは難しく、一方顔追跡技術を使えば映像が常に動き、気が散ってしまいます。

リモートで参加する側では、自分がどういった貢献ができるかを参加者に理解されていない場合や、オフィス内の人たちが話をしていて口を挟む間がほとんどない場合、会話に入っていくのが難しいと感じてしまいます。

会議室を使わないことでハイブリッド会議が改善する理由

誰もが疎外感を感じずに済む:ハイブリッドな職場、特に本社オフィスがある会社で働いていると、経営陣の近くにいる人(つまり本社オフィスで働いている人)が一番話を聞いてもらえ、リモートで働く人の話は聞いてもらえないと感じがちです。この感覚は、文字通り同じテーブルの周りに座っている人がいる一方で、そこから遠く離れてバーチャルで参加している人がいる場合、特に顕著になります。全員にビデオで参加してもらうとどうなるでしょうか。会議リーダーは無意識にその場にいる人を優先することがなくなり、参加者全員が発言者の表情や声に注意を向けるようになります。また、普段から会議で大きな声を上げられず発言しにくいと感じている参加者も、ビデオ会議ではテクノロジーを使って仮想的に手を挙げたり、チャットに質問をタイプしたりする機会が与えられるというメリットもあります。

より良い視聴体験:録画された会議のビデオを見るのは、つまらないもの。しかし、その場にいるとそうは感じません。なぜでしょう?それは、あなたの関心です。会議室にいるときは、発言者の顔に集中することもできますし、スクリーンに投影されたプレゼン画面に視線を移すこともできます。部屋の反応を見るために、個々の参加者に視線を移すことも。会議室にいる何人かが、画面上の小さい四角い箱の中に押し込められた状態では、そんなダイナミックな観察は不可能です。全員にビデオ会議に参加してもらうことで、その場にいる参加者だけでなく、すべての参加者がグループ内で関心ポイントを移動させられるようになります。

準備を 3 倍にする必要はない:Priya Parker 氏は「ハイブリッドな集いの計画とは、対面、バーチャル、そしてその 2 つが融合する場所の 3 つのミーティングを計画することだ」と言います。私たちは、これは特別な機会には有効だと考えますが、ほとんどの人は、標準的な週例・月例の集まりのためにそこまでの計画を立てる余力などありません。ハイブリッド会議をビデオ会議で行えば、3 種類のミーティングではなく、1 種類のミーティングの準備のみにエネルギーを注ぐことができることになります。

技術的な問題が少ない:大きな会議室、特に設備の整っていない会議室では、ビデオ品質や特に音質が低下しがちです。また、複数の参加者が近くの席でビデオ会議に参加する場合、マイクやスピーカーが干渉してハウリングが発生することがあります。消音のオン・オフを活用しても、そのタイミングが悪ければ、やはりハウリングが発生してしまいます。ウェブカメラ 1 台につき話す人が 1 人であれば、ハウリングや照明、カメラの位置などを気にすることなく、参加者全員が問題なく見聞きすることができます。ハウリング問題やエコーを避けるため、参加者各人がそれぞれ離れていることを確認してください。

20 名以上が参加者する大規模なハイブリッド会議で準備すべきこと

大人数でミーティングを行う場合、出席者の多くは会話に参加するのではなく、「見学」している可能性があります。もし参加者が見学者としてしか会議における議論に参加しないのであれば、代わりに録画ビデオを作成し、グループ全体に配布することを検討してください。録画であれば、全員に都合の良い会議時間を見つける必要がない上、ライブのプレッシャーを感じることなくプレゼンテーションを完璧なものにすることができます。

もしあなたが、機密情報をプライベートなままにしたいのであれば、mmhmm のプライバシー設定を使って、意図した人だけがアクセスできるようにし、誰が見たかを確認できるようにしてください。

会議室は対面式のために取っておく

私たちはビデオアプリの会社ですが、だからといって対面式を全て否定しているわけではありません。mmhmm はビデオ会議での作業やコミュニケーションを円滑にするために開発しました。それは、対面で一緒にいるときに、より多くのものを得ることができるようにするためです。会議室は、その場にいる人だけで行う集まりやお祝いのために取っておきましょう。

また、オフィスのレイアウトを変えられる余地があるならば、設備担当者に防音ブースの設置を提案しましょう。ビデオ会議参加者は、あなたの席の周りの会話を聞かずに済みますし、静かに仕事に集中して働きたい同僚からも感謝されるでしょう。

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